南青山アンティーク通りクリニック

南青山アンティーク通りクリニック

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第一話 幻月
第二話 さらなる<偶然性>と見えていなかった<必然性>
第三話 ちょっぴり早い、クリスマスイブ ―深紅のバラ―
第四話 雪化粧
第五話 お帰りやす
第六話 生演奏
第七話 You Can Do Magic
第八話 Last Train
第九話 美しく流れるメロディライン
第十話 結婚するって本当ですか?
第十一話 Antonym『アントニム』
第十二話 魑魅魍魎
第十三話 俯瞰
第十四話 陶酔
第十五話 ダブル・・・
第十六話 Survive(生き抜く)
第十七話 絶体絶命
第十八話 Out Of Control & Take My Breath Awa
第十九話 I Cannot Die
第二十話 乱高下
第二十一話 STORIES
第二十二話 Brain Jack
第二十三話 人間らしさ…Into the Conflict
第二十四話 影
第二十五話 Lock On
第二十六話 黒子という名の主役
第二十七話 Stay Cool SpecialのBackyard
第二十八話 再び蘇る
第二十九話 風鈴
第三十話 喪失が教えてくれるもの
第三十一話 Don't Miss It
第三十二話 MERRY CHRISTMAS
第三十三話 年賀状じまい
第三十四話 余白
第三十五話 SAKURA
第三十六話 布石
第三十七話 獅子落とし
第三十八話 黄昏
第三十九話 物語
第四十話 言葉になる前の無意識
第四十一話 檻と見えない首輪
第四十二話 構造
第四十三話 Narrative
第四十四話 ぺルソナ
第四十五話 もう一人の私
第四十六話 見慣れた風景

第四十六話 見慣れた風景


令和八年七月三日(金曜日)


自分のルールでしか、生きられない人がいる。
会社という器には収まらず、自ら器を作る人。
ただ、その器には、誰もが入れるわけではない。


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あるとき、その人は考えた。
会社のルールに従うよりも、自分のルールに従う社員から成る会社を起業しよう、と。
彼の考えは正しい。
そこにしか、彼らが息を吸う場所はないのかもしれない。
一見、自己中のわがままな男性のように映る。
彼らが成功するには、参謀をかかえているときという限定付き。

私は風に吹かれながら、小高い丘から、その様を眺めている。
惹かれる人間がわかれば、その人が見えてくる。
もう一度、彼は考える。
「どうして私は、こうも嫌われるのだろう。」
「どこがいけないのだろう」と悩む人はいいが、まったく悩まない人もいる。
理屈っぽく、そういう我儘な男性についていかない女性が大半である。
——少なくとも、私の見てきた景色では。

逆バージョンもある。
男性が一目散に逃げだしたくなる女性である。
女性は精神年齢が高く、早ければ小学生の頃には気づき始めている。
「どうして私を嫌って、逃げていくのだろう」と。
男性は社会人になり、職場で不適応を起こし、ようやく気付く。

私はいつもと同じ。
風に吹かれながら、彼らの一挙手一投足を俯瞰している。

着眼すべき点はただ一つ。
逃げない女性もいることだ(逆バージョンでは、逃げない男性に相応する)。

そこに本当の答えがある。
昔は、誰一人気づいていないと思っていた。
今は、逃げない人さえも、その理由を知らないことに、私は惹かれる。

だが、ここでは伏せておこう。
この丘から、もう少し眺めていたい。