南青山アンティーク通りクリニック

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第九話 美しく流れるメロディライン

記憶から消える

 嫌な記憶を消せずにトラウマとして残る人が困ってクリニックにやってくる。

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 一方、人間の脳は上手くできている…嫌なことはすぐにどこかに飛んでいく人も少なくない…都合の悪いことは忘れる。
 この類の人はやって来ない。

 それでも忘れように忘れることのできないとても強烈なインパクトを残せば、話が変わる…。

投影

 今、ロサンゼルスドジャースの大谷選手はまさしく<トキ>の人である。
 彼がホームランを打てば、多くの日本人は、気づかずに自分自身を彼に投影し、あたかも自分が…という錯覚を持てる。

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結果、元気をもらえる。
子どもたちは夢を抱くことが可能になる。

 とても在り難い。

ドジャースブルー

数十年以上前にロサンゼルス空港に着いたとき、あちこちの空港ショップにNOMO 16と書いたドジャースブルーのティシャツがロサンゼルス空港を席巻していたことを鮮明に覚えている。

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数億もらっていた年俸を放棄して、わずか一千万円少しの年俸で海を渡って、いきなりの大活躍。

今から十年前

 今から十年前。
 グリンキーという知る人ぞ知る、MLBに名投手がいた。
かつて彼もロサンゼルスドジャースに数年間在籍(2013-2015)に在籍し、MLB通算225勝。サインヤング賞も取り、その当時はMLB年間20億以上の投手最高額契約を結んでいた。

2024年シーズン

昨年まで、米国の中央の臍の緒の位置にある、カンサスシティーにいたが、今では40歳になり、引退かどうかの瀬戸際に追い込まれている。
 2024年シーズンはどうしているのか分からない…。
 まだ現役を続けるべく、契約を交わしてくれる球団を探していると聞く。

怖いものなし

 若いときから、制球力抜群であたかもマダックスの再来…そしてスピード溢れる球も投げることができる。
 抜群のコントロールとスピードの両方を兼ね備えている。
 まさに怖いものなし。
 メジャーでも彼ほどの名投手はなかなかいない。

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 それと同時に<迷>投手であったために簡単に記憶から消えない。

或る記事

 記者泣かせ…マウンド上では想像できない、試合後のインタビュー。
 記者と話が全然噛みあわない。
 人を怒らせるのがすごく得意。

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 数年前、米国のある記者が面白い記事を書いた。
 彼と波長合う人は滅多にいない…それが彼の長所にもなる。
 その記事が第九話のoriginである。
 どこかのタイミングで…。

Lie and Let Die

 1973年、007シリーズ第8作目Lie and Let Die(和訳 死ぬのは奴らだ)が公開。
 音楽は、ポールマッカートニー。
ビートルズ時代を思い起こさせる、彼独特の美しく流れるメロディで始まる。
Yesterdayに少し似たサウンド。

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しばらくすると、どこかで爆発?と勘違いしそうな、激しい衝撃音。
爆発的なオーケストラが鳴り響く。
最後は、再びバラード調に戻る。

 今はもう見ることができない、グリンキー全盛期の<緩急>をつけたピッチングを彷彿させる。

人嫌い

彼は大の人嫌い。
人と接触するのを避けるがゆえに、変わっている人と指摘される。
彼の本質は?
彼の正体は?

波長

 彼の欠点が、彼の投球スタイルの長所になる。
 彼と波長が合う人は極めて少ない。
 彼の頭の思考及び行動パターンを読むのは難しい。

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 とても重要な試合に限って、そういうスタイルを貫くので、相手は面食らう。
 全然、読み切れない…。
 彼が意表を突いていなくても、普通にやれば、意表を突く結果を導く。

大ファン

 彼の息子さんはまだ小さくて、大谷選手の大ファンらしいと聞く。
ところが、大谷選手が残りの野球人生すべてを使っても、投手に限定すれば、彼に追いつくことは事実上難しい。

 皮肉なことに、手術の影響で投手は難しく、バッターに専念したほうが、数多くのキャリアハイの最盛期の記録を残し、多くの人に夢を与えるかもしれない…。