南青山アンティーク通りクリニック

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第七話 You Can Do Magic

国際色

 南青山の骨董通りを歩く人たちのなかにも、外国人が少しずつ増え、国際色を帯びてきた。
 日本の至る所にみられる現象であり、骨董通りも同様…。

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ほくそ笑む

 外国人の比率も少し上昇?
私は、心のなかでほくそ笑んでいる。
 診療を通じて、無料の英会話レッスンができる。

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そして、そこにはなかなか巡り合うことができない、未知の世界も潜んでいる。
 彼らの心の奥底の本質の部分が激しく投影されることもあるので、とても楽しいひとときを感じることができる。

学習

 診療しているのではない。
 彼らから様々なことを学んでいる。
 手先の小細工した変化球ではなく、正真正銘のストレート。

マッチング

 或る日のこと。
 数週間前の私の処方が、偶然にも上手くマッチした…。
 ある外国人クライアントが、You Can Do Magic!

風のマジック

1982年、或るバンドのリリースした曲のタイトルも、You Can Do Magic。
理由はわからないが、なぜかその和訳は、<風のマジック>。

モデルチェンジ

 第一幕が終わり、第二幕をスタートして数カ月から半年
 そろそろ、モデルチェンジの時期。
 ノンフィクションとフィクションのフュージョン。

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You Can Do Magicは、フォークとロックのフォークロック。
これもフュージョンのひとつ…。
You Can Do Magicの歌詞を私流に大きく変化させ、Short&Shortの物語にした。
それが第七話You Can Do Magic。
 わかる人にはわかるが、わからない人にはわからない。

魔法

 見たものしか信じないひとりの男性がいた。
 彼は、自分が感じないものは、この世に存在しないと思っていた。南青山アンティーク通りクリニック院長のブログイメージ

  彼の前にひとりの女性が現れた。
 彼は、彼女に一瞬のうちに魔法(マジック)をかけられた。
 それ以来、彼女の虜になった彼には、理解できないことが数多く起きるという。
 人間らしさを学んでいる最中…それとも魔法使いが人間になろうとしている。
 彼は自分のなかに内在する感性を知るに至った。
 それまでの彼は、あまりにもリアリスト過ぎて、人の心というものを全然理解できないひとりの男性であった。

勝負手

 彼はここしかないと思って、彼なりに必死の努力をした。
 猛アタック。
 彼は勝負所を熟知していた。
 勝負手を放ち、その手が勝敗を分けた。

 彼女の心を掴むことに成功…。

美女と野獣

 まさしく美女と野獣の組み合わせ。
 世の中に決して少なくないパターン。

子どもたち

 二人は三人の子どもを授かった。
 三人三様。

人気者

 一人は彼女そっくり。
 とても感性豊か。
すこぶる魅力的で、男性の心を鷲掴みするのが信じられないほど上手い女の子。
 成績はさして良くないが、誰にも好かれる天然系の人気者。

 彼女の欠点は、巧みに嘘をつけないこと。
 女性の世界で生きていくうえで、欠かせないのが嘘のハンドリング。
 が、それができない。

 男性に絶大の人気はあるが、あまりにももてすぎて同性の女性にひどく妬まれる。
 そのせいで想定外の三角関係に巻き込まれることが頻繁。
 「私の彼を持っていかないで…」

神童

 もう一人は彼そっくり。
 成績はすごく優秀。
 幼い頃、周りは彼を天才と褒めたたえた。
 神童と呼ばれることもあったそうである。
が、人の心の裏を全然読めない。
簡単にコロリと騙される。

最後のひとり

 最後の一人は、二人を足して二で割ったような性格。
彼のような面もあれば、彼女のような面もある。

孫誕生

 数十年が経ち、孫が二人生まれた。
 ひとりは、彼女30%、彼70%のブレンド。もう一人は、彼女70%、彼30%のブレンド。

末裔

 その後、どうなったのか?
 騙されやすい彼らの末裔は、察しの通り。
 数世代は続いたそうである。
 最後は、天使のような魔法使いが、悪魔のような魔法使いに罠をかけられた…。

 誰も彼らの最後を語ろうとしない。南青山アンティーク通りクリニック院長のブログイメージ

 風のマジックに他ならない。