

第一話 幻月
第二話 さらなる<偶然性>と見えていなかった<必然性>
第三話 ちょっぴり早い、クリスマスイブ ―深紅のバラ―
第四話 雪化粧
第五話 お帰りやす
第六話 生演奏
第七話 You Can Do Magic
第八話 Last Train
第九話 美しく流れるメロディライン
第十話 結婚するって本当ですか?
第十一話 Antonym『アントニム』
第十二話 魑魅魍魎
第十三話 俯瞰
第十四話 陶酔
第十五話 ダブル・・・
第十六話 Survive(生き抜く)
第十七話 絶体絶命
第十八話 Out Of Control & Take My Breath Awa
第十九話 I Cannot Die
第二十話 乱高下
第二十一話 STORIES
第二十二話 Brain Jack
第二十三話 人間らしさ…Into the Conflict
第二十四話 影
第二十五話 Lock On
第二十六話 黒子という名の主役
第二十七話 Stay Cool SpecialのBackyard
第二十八話 再び蘇る
第二十九話 風鈴
第三十話 喪失が教えてくれるもの
第三十一話 Don't Miss It
第三十二話 MERRY CHRISTMAS
第三十三話 年賀状じまい
第三十四話 余白
第三十五話 SAKURA
第三十六話 布石
第三十七話 獅子落とし
第三十八話 黄昏
第三十九話 物語
第四十話 言葉になる前の無意識
第四十一話 檻と見えない首輪
第四十二話 構造
第四十三話 Narrative
第四十四話 ぺルソナ
第四十五話 もう一人の私
第四十六話 見慣れた風景
哀しみの中で、完璧に演じ切れる彼女は、光り輝く存在であった。
が、心の奥底には、言葉にできない哀しみが絶えず横たわっていた。
白衣を脱げば、誰もが振り返る存在だった。
それでも、鏡を見るたびに、幼い頃の少女が消えることはなかった。
彼女はいつも寂しい眼をしていた。
周囲の人は彼女の哀しみを想定できない。
職場は大奥で、女性の序列社会。
とても厳しいが、実力主義には程遠い世界。
そこに激しい怒りを感じていたが、にこやかな表現に終始する。
こういう人生が死を迎えるまで続くと思うといたたまれない。
独立して、自分の思う医療を行いたい。
彼女はとても人気のある女医。
決断を下せば、実現できる。
それでも、躊躇してしまう

あるとき、目の前にいたのは、幼い頃の私だった。
その少女の気持ちは痛いほどわかる。
誰も知らない街で、生き直したい。
例えば、ニューヨーク、パリ、LAなど。
顔を変えることも、街を変えることも、今の時代ならできる。
。
彼女は、その女の子の気持ちがわかるが、回答はどれが正解なのかわからない。
女の子との質問には、お茶を濁す言葉しか返せない。
私なら渡米する。
それを言葉にしようと思うが、もう一人の私は制止する。
少女の背中を見送った。
救われたのは、少女だけではなかった。
助言できない言葉を、最後まで私は口にできなかった。
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