

第一話 幻月
第二話 さらなる<偶然性>と見えていなかった<必然性>
第三話 ちょっぴり早い、クリスマスイブ ―深紅のバラ―
第四話 雪化粧
第五話 お帰りやす
第六話 生演奏
第七話 You Can Do Magic
第八話 Last Train
第九話 美しく流れるメロディライン
第十話 結婚するって本当ですか?
第十一話 Antonym『アントニム』
第十二話 魑魅魍魎
第十三話 俯瞰
第十四話 陶酔
第十五話 ダブル・・・
第十六話 Survive(生き抜く)
第十七話 絶体絶命
第十八話 Out Of Control & Take My Breath Awa
第十九話 I Cannot Die
第二十話 乱高下
第二十一話 STORIES
第二十二話 Brain Jack
第二十三話 人間らしさ…Into the Conflict
第二十四話 影
第二十五話 Lock On
第二十六話 黒子という名の主役
第二十七話 Stay Cool SpecialのBackyard
第二十八話 再び蘇る
第二十九話 風鈴
第三十話 喪失が教えてくれるもの
第三十一話 Don't Miss It
第三十二話 MERRY CHRISTMAS
第三十三話 年賀状じまい
第三十四話 余白
第三十五話 SAKURA
第三十六話 布石
第三十七話 獅子落とし
第三十八話 黄昏
第三十九話 物語
第四十話 言葉になる前の無意識
第四十一話 檻と見えない首輪
第四十二話 構造
第四十三話 Narrative
第四十四話 ぺルソナ
第四十五話 もう一人の私
第四十六話 見慣れた風景
幼い頃、その女の子は気づいた。
自分の思いのたけを口にすると、
多くの人を傷つけてしまうのだと。
何を言っても、
たとえ正しいことを言っても、
最後に責任を負うのは自分だということを。
そのときの傷つきがあまりにも大きすぎた。
彼女は決めた。
どんなに思われても構わない、心の鎧をまとおう、と。
父親の仕事の出張にくっついて、米国東海岸を旅したことがある。
ボストンからAmtrackで北上した。
二十分ほどで着いたのは、魔女の街、セーラム。
そこで、お土産としてペルソナを買ってもらった。
英語で書かれたペルソナの説明を眺めていると、
父は笑いながら言った。
「この仮面には、不思議な力があるらしい。
心の奥に何を抱えていても、すべて、人を癒やす言葉に変えてくれるそうだ。」

それ以来、その少女の心は静かに変貌した。
彼女がその場にいれば、空気は優しく癒される。
幼い頃、周囲の人を傷つけて怯える彼女は、もうどこにもいない。
何を言われても
微動だにしない人間を完璧に演じることができる。
それでも、
彼女の笑顔の奥に隠された、真の意味を理解できる人は、
――ほんの、わずかしかいない。
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