

第一話 幻月
第二話 さらなる<偶然性>と見えていなかった<必然性>
第三話 ちょっぴり早い、クリスマスイブ ―深紅のバラ―
第四話 雪化粧
第五話 お帰りやす
第六話 生演奏
第七話 You Can Do Magic
第八話 Last Train
第九話 美しく流れるメロディライン
第十話 結婚するって本当ですか?
第十一話 Antonym『アントニム』
第十二話 魑魅魍魎
第十三話 俯瞰
第十四話 陶酔
第十五話 ダブル・・・
第十六話 Survive(生き抜く)
第十七話 絶体絶命
第十八話 Out Of Control & Take My Breath Awa
第十九話 I Cannot Die
第二十話 乱高下
第二十一話 STORIES
第二十二話 Brain Jack
第二十三話 人間らしさ…Into the Conflict
第二十四話 影
第二十五話 Lock On
第二十六話 黒子という名の主役
第二十七話 Stay Cool SpecialのBackyard
第二十八話 再び蘇る
第二十九話 風鈴
第三十話 喪失が教えてくれるもの
第三十一話 Don't Miss It
第三十二話 MERRY CHRISTMAS
第三十三話 年賀状じまい
第三十四話 余白
第三十五話 SAKURA
第三十六話 布石
第三十七話 獅子落とし
第三十八話 黄昏
第三十九話 物語
第四十話 言葉になる前の無意識
第四十一話 檻と見えない首輪
第四十二話 構造
小中高校生の頃は、現代国語がとても嫌いだった。
偶然に精神科医になったが、文章を避けて通れない領域である。
が、医学の学術的な世界は英語のみ。
英語は直接的な表現が主であるので、お互いに齟齬がなく、心が通じやすい。
外の世界にばかり興味や関心を持って生きてきたが、内の世界にも興味を持ち始めた。
そして、余白を丁寧に扱う大切さを学んだ。
そういう時期に、構造で物を書く人にたくさん出会ってきた自分に気づいた。
余白と構造。
この二つは、磁石のN極とS極。

接近し過ぎると互いにはじき合う。
構造に飲み込まれない距離感を探している自分が見える。
意識的には構造化はしていないが、最小限の構造化は無意識にしている。
構造で書く人は、地図を読み、最後の最後まで旅行の計画を完全に練ってから動き出す。
構造で書かずに余白や気配で書く人は、ふらりと一人旅を楽しむ。
構造を大切にする人を見ていると、どこか不安の匂いを感じていた。
だが、気づけば私も似たような地図を握っていた。
檻の中に住みたくない…空は限りなく自由と思っていた。
檻を見ると揺らしたくなる。
閉じた構造を見ると開きたくなる。
無意識に構造で書いている自分を見つけてしまう。
その境界は思っていたほど明確ではなかった。
私が握っているのは、皺ひとつない最新のデジタルマップなのか、それとも手垢のついた古地図なのか。
ふと夕暮れの空を見上げると、そこにある色が徐々に変化して溶け合っていくのが見えた。

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