南青山アンティーク通りクリニック

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第十五話 ダブル・・・

令和六年十一月十六日(土曜日)

汎用性

 ダブル…を始めとしたマルチタスクが苦手な人は少なくない。
 10年ほど前から今も尚、<マルチタスクが簡単に行える方法>という書籍の出版を考えることがしばしばある。
 が、冷静に考えると、私なりのやり方であり、<汎用性>を考えると躊躇してしまう。  若い頃なら猪突猛進でさっと書き上げていたかもしれないが…。

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 今年のMLBのワールドシリーズ(World Series, WS)を見ていると、<ダブル…>の冒頭部分ぐらいならいいかなあと思うが、やはり…。

WS第五戦

 先日まで、世界中のなかでも、日米韓、中南米などの野球の盛んな諸国では、MLBのWSで盛り上がっていた。
 LAドジャースがいきなり3連勝と王手をかけ、もしかしたら4連勝Sweepか?と思ったが、第4戦はNYヤンキースが勝ち、第5戦を迎えた。
 NYヤンキースは、MLB屈指の最強右腕のコールが先発。

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筋書きのないドラマ

 途中まで5-0とヤンキースの完全な勝ちパターン。
 余程のことでもない限り、逆転はあり得ない。
 ところが、筋書きのないドラマが起きるから面白い。
 脚本や台本のようなものがもし存在すれば、興味は涌かない…予測できないことが起きるから楽しめる。

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 このままヤンキースが確実に勝ち、第6戦もヤンキースが勝てば、今度はヤンキースが逆王手をかけるはずであった。

ジョーカー

 第7戦までもつれれば、中3日でヤンキースのジョーカーのコールが出てくる。
 ヤンキース3連敗4連勝というドラマが起きるかも…。
 ところがそうはいかない。
 野球の神様は、誰も想像できない、まったく別の筋書きを用意していた。

ミラクルヤンキース

 NYのJFDケネディ空港近くに本拠地を持つ、同じニューヨークの<ミラクル>メッツのお株を奪うかのように、<ミラクル>ヤンキースになる可能性があった。
 ドジャースは、ヤンキースと戦う前に、その<ミラクル>メッツに勝ち、ファイナルのWSに進出してきた。
 結果的には、<ミラクル>ヤンキースは起きなかった。

人生でも同様

 人生でも、些細な出来事が人生を大きく変えることがある。
 地獄に落ちるか、踏みとどまるか?

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信じられないミス

 センターのジャッジが、ごく普通のセンターフライを落球。
 誰もが考えられないミスだと思った。

連鎖反応

 ミスはミスを呼び起こす。
ミスの連鎖。
 しかし、投手コールがそのミスを帳消しにする快投。
二死満塁までこぎつけた。

錯綜

 その直後、ニューヨークのメディアは「ただただ残酷」と落胆と怒りが錯綜する事態を目撃する。
 コールが、ファーストベースカバーに入り損ねるという事態が生じた。
通常、右方向にボールが転がれば、投手はファーストのベースカバーに入る。

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 結果的に三つの失策が、ドジャースの大逆転劇を生んだ。

脳裏に焼き付く二人

 最近は、高校野球は、ネットで結果しか見ないが、昔はよく見ていた。
 個人的な見解であるが、二人の凄い投手が今も脳裏に焼き付いている。
 彼らは海を渡ってMLBに行く時代ではなかった。
 早く生まれ過ぎた…

ひとりは…

 ひとりは作新学院の江川 卓。
 彼のストレートに対し、バットを当ててファールを打つだけでも、バックネットからため息が漏れる、歓声が沸く。
 彼が投げる球にバットがかすりもしない。
 私的には、高校3年生の頃が全盛期…。

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もうひとりは…

 もうひとりは、工藤公康。
 最近、彼の記事(手記)を読んだが、小さい頃からメンコ遊びが彼の唯一の遊び。
 それが功を奏して、手首のスナップが抜群に利く。
 カーブを投げるための素地が幼少期の遊びに形成されていた。

鋭さ

 彼は、鋭く曲がり落ちるブレーキングの凄いカーブを意図も簡単に投げる。

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 真夏の甲子園。
 イチローの先輩の名工電の彼は、初戦でノーヒットノーラン。
 鋭くブレーキングして大きく落ちるカーブは、高校生レベルでは到底打てない。
 140-150kmのストレートにカーブ…。

名監督

 巨人には、広岡、川上、森などの名監督がいる。
 彼らの共通点は、<石橋を叩く>。
 が、北海道日本ハムの新庄監督のような冒険心が感じられない。
 あまりにも堅実すぎて、観戦者からすれば、楽しめない采配を振う人たち。

ドラフト

 西武ライオンズで一時代を築いた広岡監督は、その当時、社会人野球行きを表明していた高校3年生の工藤公康を指名し入団させた。
 彼は、日本球界を背負う素材。

基礎練習

 彼の記事(手記)によれば、
 最初の数年間は、ファーストベースのカバーに入る基礎中の基礎練習を、毎日数時間させられたという。身体に滲み込ませるために…何も考えなくても身体が動くようになるまで…。
 将来を嘱望される有名選手からしてみれば、「どうしてこういう基礎練習ばかりさせられるの?」という気持ちで一杯だったように思う。
 現役中はショートの広岡さんは、監督という指導者になってからは、基礎練習の繰り返しが代名詞…。

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 基礎の反復練習がすべてという哲学
 これほどまでに反復を繰り返し、身体に滲み込ませることを強調する人はそういない。
 才能溢れた集合体のプロ選手からすれば、「どうしてそこまで簡単な練習ばかりさせられないといけない」と不平不満が噴出する。「僕らは素人ではない」というプライドが見え隠れする。

落とし穴

 今回のWS第5戦でのドジャースの大逆転は、野球の神様の意地悪?
 それとも基礎練習の<継続性>や<反復性>を軽んじた結果、<落とし穴>にはまった。

ダブル…

 マルチタスクとまで言わなくても、ダブルができれば…。
 WS第5戦に明確に投影されていた。
 99%以上の人は、私が何を言いたいかわからないかもしれない…一体、何を言っているの…。
 そう思うのが普通。
 私が故意に最も肝心な部分を削除したから、話がつながらなくなっている。
 が、私からすれば、わかってしまえば、全然面白くない…わからないまま終わりたい。