第一話 幻月
第二話 さらなる<偶然性>と見えていなかった<必然性>
第三話 ちょっぴり早い、クリスマスイブ ―深紅のバラ―
第四話 雪化粧
第五話 お帰りやす
第六話 生演奏
第七話 You Can Do Magic
第八話 Last Train
第九話 美しく流れるメロディライン
第十話 結婚するって本当ですか?
第十一話 Antonym『アントニム』
第十二話 魑魅魍魎
第十三話 俯瞰
第十四話 陶酔
第十五話 ダブル・・・
第十六話 Survive(生き抜く)
第十七話 絶体絶命
第十八話 Out Of Control & Take My Breath Awa
第十九話 I Cannot Die
第二十話 乱高下
第二十一話 STORIES
第二十二話 Brain Jack
第二十三話 人間らしさ…Into the Conflict
第二十四話 影
第二十五話 Lock On
第二十六話 黒子という名の主役
ダブル…を始めとしたマルチタスクが苦手な人は少なくない。
10年ほど前から今も尚、<マルチタスクが簡単に行える方法>という書籍の出版を考えることがしばしばある。
が、冷静に考えると、私なりのやり方であり、<汎用性>を考えると躊躇してしまう。
若い頃なら猪突猛進でさっと書き上げていたかもしれないが…。
今年のMLBのワールドシリーズ(World Series, WS)を見ていると、<ダブル…>の冒頭部分ぐらいならいいかなあと思うが、やはり…。
先日まで、世界中のなかでも、日米韓、中南米などの野球の盛んな諸国では、MLBのWSで盛り上がっていた。
LAドジャースがいきなり3連勝と王手をかけ、もしかしたら4連勝Sweepか?と思ったが、第4戦はNYヤンキースが勝ち、第5戦を迎えた。
NYヤンキースは、MLB屈指の最強右腕のコールが先発。
途中まで5-0とヤンキースの完全な勝ちパターン。
余程のことでもない限り、逆転はあり得ない。
ところが、筋書きのないドラマが起きるから面白い。
脚本や台本のようなものがもし存在すれば、興味は涌かない…予測できないことが起きるから楽しめる。
このままヤンキースが確実に勝ち、第6戦もヤンキースが勝てば、今度はヤンキースが逆王手をかけるはずであった。
第7戦までもつれれば、中3日でヤンキースのジョーカーのコールが出てくる。
ヤンキース3連敗4連勝というドラマが起きるかも…。
ところがそうはいかない。
野球の神様は、誰も想像できない、まったく別の筋書きを用意していた。
NYのJFDケネディ空港近くに本拠地を持つ、同じニューヨークの<ミラクル>メッツのお株を奪うかのように、<ミラクル>ヤンキースになる可能性があった。
ドジャースは、ヤンキースと戦う前に、その<ミラクル>メッツに勝ち、ファイナルのWSに進出してきた。
結果的には、<ミラクル>ヤンキースは起きなかった。
人生でも、些細な出来事が人生を大きく変えることがある。
地獄に落ちるか、踏みとどまるか?
センターのジャッジが、ごく普通のセンターフライを落球。
誰もが考えられないミスだと思った。
ミスはミスを呼び起こす。
ミスの連鎖。
しかし、投手コールがそのミスを帳消しにする快投。
二死満塁までこぎつけた。
その直後、ニューヨークのメディアは「ただただ残酷」と落胆と怒りが錯綜する事態を目撃する。
コールが、ファーストベースカバーに入り損ねるという事態が生じた。
通常、右方向にボールが転がれば、投手はファーストのベースカバーに入る。
結果的に三つの失策が、ドジャースの大逆転劇を生んだ。
最近は、高校野球は、ネットで結果しか見ないが、昔はよく見ていた。
個人的な見解であるが、二人の凄い投手が今も脳裏に焼き付いている。
彼らは海を渡ってMLBに行く時代ではなかった。
早く生まれ過ぎた…
ひとりは作新学院の江川 卓。
彼のストレートに対し、バットを当ててファールを打つだけでも、バックネットからため息が漏れる、歓声が沸く。
彼が投げる球にバットがかすりもしない。
私的には、高校3年生の頃が全盛期…。
もうひとりは、工藤公康。
最近、彼の記事(手記)を読んだが、小さい頃からメンコ遊びが彼の唯一の遊び。
それが功を奏して、手首のスナップが抜群に利く。
カーブを投げるための素地が幼少期の遊びに形成されていた。
彼は、鋭く曲がり落ちるブレーキングの凄いカーブを意図も簡単に投げる。
真夏の甲子園。
イチローの先輩の名工電の彼は、初戦でノーヒットノーラン。
鋭くブレーキングして大きく落ちるカーブは、高校生レベルでは到底打てない。
140-150kmのストレートにカーブ…。
巨人には、広岡、川上、森などの名監督がいる。
彼らの共通点は、<石橋を叩く>。
が、北海道日本ハムの新庄監督のような冒険心が感じられない。
あまりにも堅実すぎて、観戦者からすれば、楽しめない采配を振う人たち。
西武ライオンズで一時代を築いた広岡監督は、その当時、社会人野球行きを表明していた高校3年生の工藤公康を指名し入団させた。
彼は、日本球界を背負う素材。
彼の記事(手記)によれば、
最初の数年間は、ファーストベースのカバーに入る基礎中の基礎練習を、毎日数時間させられたという。身体に滲み込ませるために…何も考えなくても身体が動くようになるまで…。
将来を嘱望される有名選手からしてみれば、「どうしてこういう基礎練習ばかりさせられるの?」という気持ちで一杯だったように思う。
現役中はショートの広岡さんは、監督という指導者になってからは、基礎練習の繰り返しが代名詞…。
基礎の反復練習がすべてという哲学
これほどまでに反復を繰り返し、身体に滲み込ませることを強調する人はそういない。
才能溢れた集合体のプロ選手からすれば、「どうしてそこまで簡単な練習ばかりさせられないといけない」と不平不満が噴出する。「僕らは素人ではない」というプライドが見え隠れする。
今回のWS第5戦でのドジャースの大逆転は、野球の神様の意地悪?
それとも基礎練習の<継続性>や<反復性>を軽んじた結果、<落とし穴>にはまった。
マルチタスクとまで言わなくても、ダブルができれば…。
WS第5戦に明確に投影されていた。
99%以上の人は、私が何を言いたいかわからないかもしれない…一体、何を言っているの…。
そう思うのが普通。
私が故意に最も肝心な部分を削除したから、話がつながらなくなっている。
が、私からすれば、わかってしまえば、全然面白くない…わからないまま終わりたい。