南青山アンティーク通りクリニック

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第四部 Trajectory(軌跡)

第二十七話:Mission Impossible

令和五年七月十六日(日曜日)

恐怖との闘い

 絶妙のタイミングで、思い切りのいい飛び出しが生命線。
 精神的に守りに入った時点で終わり…絶えず攻撃的に…。

 怖いと思ったら、その時点ですでに終わっている。
 心の中から恐怖心を完全に排除できるかどうかで、すべてが決まる。
 恐怖のコントロールの出来次第。
 口で言うのは簡単であるが、実際は物凄く難しい。

視覚系優位それとも

 言語聴覚系優位のクライアントは多いが、視覚系優位のクライアントも少なくない。
 正確に統計を取ったわけではないが、どちらも3,4人に一人以上はいる?
両方とも得意な人はいるが、そのせいで困ることもある…普通の目線で言えば、両方とも得意であれば、言うことがないように思ってしまう。
大谷選手の二刀流のようなもの?

が、実際は必ずしもそうとは限らない…。

何気なく

 視覚系優位のあるクライアントに、
何気なく
「Mission Impossibleの新作を知っている?」とわざといきなり唐突に聞いてみると、あり得ない想定外の私の質問に驚きながら、二人ともニコッと笑って「知っている…」と言う。
「まもなく上映が始まりますよ」と言う。
 上映を楽しみにしているという雰囲気がひしひしと伝わってくる。
 その勢いで、
 「それはいつ?」と尋ねると
 「まもなくです。確か7月21日金曜日…」と丁寧に教えてくれる。

ノルウェーの断崖絶壁

 すでに約9分に及ぶ特別メイキング映像が数カ月前から公開されている。
 クライアントの中には知っている人も少なくない。

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 この映像のクライマックスシーンこそが、Mission Impossible、遂行不可能な任務。

モトクロスバイクで空中を駆ける

 その映像を見ると、場所はノルウェーの大自然の山の中。
 そこにとてつもなく長い年数を経て出来た、氷河の浸食によるフィヨルドの断崖絶壁がある。

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断崖絶壁ぎりぎりに作った人工的な滑走路を、モトクロスバイクで猛スピードの疾走。
その勢いで飛び出し、空中を駆ける。そして、空中でバイクを切り離す。
その後、空中遊泳しながら、直滑降に落下し、岩で囲まれた暗闇の中に消えていく。
と思ったら、最後のほうでブルーのパラシュートが開く。

ワンシーン

 ネット情報では、トムクルーズ自身が何年もかけて考えたシーンのひとつ。
 練習用のモトクロスジャンプ台を作り、13000回のモトクロスジャンプの練習。
一日30回の総計500回のスカイダイビング。
結果、成し得たワンシーン。

これ以上ない、空間認知能力

 視覚系優位の空間認知能力が、ずば抜けて卓越した人が、完璧にこなさないとできないシーン。

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 努力なしの天性だけでは絶対無理…天性がなければ、努力だけでも絶対無理。
 努力を惜しまない性格で、そのうえに天性を生まれ持った人間が、何度も何度も練習し、最後にできるようになる。

 生まれながらの遺伝的要因に、想像を絶する努力が求められる。

 世界の最高級のスタントマンであってもそう簡単にできそうに思えない。
 いや、できるわけがない。

視覚優位系

 視覚系優位の人にはたまらない作品であることは疑う余地がない。

 完璧な言語聴覚系優位の人には、話が通じない可能性があるので、避けたほうが無難と思ってしまう…。
 だからこそ、私は視覚系優位の人を選んで質問をぶつけた。

興味を惹かない

 が、少しでも視覚系の鋭敏な部分を持っている人なら、明らかに言語聴覚系優位の人であっても惹きつけられるかもしれない。

 言語聴覚系優位の人のなかには、「鳥のように空を飛んで、どこが面白いの…どこが惹きつけられるの?」と思う人も少なからずいるように思う。
 「どうしてこういう危険なシーンを楽しめるのだろう?」と思う人は、言語聴覚系優位で間違いない。

悪魔に魂を売却

 彼の何世代も前の祖先が、「遥か昔に<悪魔>に魂の一部を売却、あるいは等価交換したの」と言いたくなる。

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 言語聴覚系は損ねてもいいから、空間認知を含めた視覚系の超越した存在になりたいと望んでいた?
 そして、その遺伝子が脈々と彼にも受け継がれ、彼が大論の花を咲かせた。

 もしそうなら話であれば、点が線になる。

二択

 以上は、言語聴覚系か、視覚系のどちらかという二択でのすこぶる単純な話。

 繰り返しなるが、
言語聴覚系と視覚系のいずれも優位の人も少ないが、それなりに存在する。
 いずれも優位であれば、最高と思うかもしれない。
が、世の中、そう甘くない。
まったく別の問題が発生する。
その一方で、両方のいずれも苦手であるが、わずかの情報で結果を出せる人もいる。

 サッカーで例えるならば、前者はポゼッション重視のかつてのバルサや銀河系軍団と称された時代のレアル。後者は堅守速攻スタイルで、ワンチャンスをものにする、少し前の、最高に調子がいいときの日本代表。

変数

 数学的に言えば、二択のように見えて、他にその二択に影響を与える変数がたくさんある。
そうなれば、変数の数によって、2×2=4、2×2×2=8と推測すべき結果が、どんどんと増えていく。
2の二乗、三乗、四乗に…そこに二択ではなく、三択も混じることもあるかもしれない。
 そうなれば、複雑さが加速度的に増す。

必然性

 もし過去に遡ることが出来れば、遺伝子の継承次第で、発達の凸凹は世代毎に大きく変容する。
 極端な話をすれば、あるときは世界を牽引するレベルの人間が生まれる。ところが数世代先は、重度の精神面の問題を抱える…言い始めたらきりがない。
 世の中の人たちは、天才と狂気は紙一重と表現することもある?

追跡調査

 それを証明するには、今後、数十年、いや数百年に及ぶ、縦断的な研究で何世代も遺伝子検索を追跡調査する必要性がある。

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 人類の遺伝子を保存し、AIを駆使し、ざまざまな結果を割り出せるかもしれない。

限りなく

 さまざまな凹凸が存在する。
 変数の数次第で、その凹凸は限りなく増える。

混じり合う

 世代が進み、より複雑に遺伝子が混じり合えば、より難解になる。
 正確に解きほぐすことはほぼ不可能。
 これもまた、Mission Impossible 。
 なぜなら、人類が誕生して何十万年も経っているからである。

 今頃になって発達の凹凸?
 もうすでに計り知れないほど、複雑に絡み合っている。

風向き

 複雑な状態をできるだけ単純化し、わかりやすく説明することを常としてきた。
が、その風向きが変化することもある。
 わかりにくく書くのも悪くない…ある特定の人にしか理解できないように書くのもいいと思うようになった。

消化不良

 一度、すべて書き終えた後、起承転結の<結>の部分を抜いたり、ぼかしたりして楽しむ。
ある人は、<消化不良を起こします…>と言う。

 その通り。

のど越しはいいが、胃や腸の中で消化できない。

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